分科会‎ > ‎

第五分科会

「相対論的電子論」

師: 石村 和也先生 (分子科学研究所 特任研究員)

紹介文:

 2000年以降、消費電力や発熱などの問題によりCPUクロック数の伸びが止まり、CPUコア単体の性能向上もほぼ止まったため、CPUコア数やノード数を増やして計算機の性能向上が図られるようになりました。2000年ごろまでのように、一度プログラムを作ると、その後何もしなくても時間がたてば計算が速くなる時代は終わり、効率的に計算を行うためには計算機をある程度理解した上で利用することが、開発者、ユーザー共に求められています。そして、スーパーコンピューターだけではなく研究室レベルの計算機でも並列計算が不可欠になっています。 

 前半は、プログラム開発者、ユーザー双方の視点から、以下の内容について量子化学計算を基に解説します。量子化学計算の細かな式にはあまり立ち入らず、できるだけ他の理論・計算分野でも共通する内容を中心に説明します。 


1.1 計算機の変遷 

1.2 計算コストを削減するための計算手法とアルゴリズム 

1.3 高速化・並列化方法 

1.4 これからの計算機を効率的に使うための計算手法とプログラミング技術

 

 後半は、より理解を深めるために大規模並列量子化学計算プログラムSMASHを使った実習を行います。開発者向け、もしくはユーザー向けの課題にLinuxマシンで取り組んでもらいます。そのため、この分科会に参加される方はノートPCを持参してください。 

2.1 ノード内(OpenMP)とノード間(MPI)並列計算 

2.2 他のプログラムとの比較 

2.3 カットオフ値の違いによる計算時間とエネルギー値の変化 

2.4 行列演算ライブラリーBLASとLAPACKの使い方 

2.5 速いプログラムの書き方 


担当:    浦谷 浩輝 (東京大学 山下・牛山研究室 M2) 

担当連絡先:    sec5_at_ymsa.jp
※担当連絡先はお手数ですが「_at_」を@に変えて頂きますよう、よろしくお願い致します。

担当者コメント:
分子科学の分野において、量子化学計算や分子動力学計算などの理論計算はいまや欠かせない研究ツールです。便利なソフトの普及や計算機の性能向上に伴い、理論家だけでなく実験家もごく普通に計算を利用する時代になりました。皆さんの中でも、自分で計算をしたり、計算を使った研究を見かけたりした経験がある方は多いと思います。しかし、近年の計算ソフトは高機能である反面、内部で具体的にどのような計算が行われているのかを理解することが難しく、ユーザーにとっては事実上ブラックボックスとなっているのが現状です。 

本分科会では、量子化学計算ソフト「SMASH」の開発に取り組まれている石村先生をお招きし、「ソフトはどうやって計算をしているのか」「速く計算するためにどのような工夫がなされているのか」等について解説していただきます。また、量子化学分野に限定されない、計算機を効率よく使うための一般的な技法についても扱います。 

本格的な計算ソフトの開発ができる日本人研究者は少ないため、本分科会は非常に貴重な機会です。奮ってご参加ください。 特に、研究で計算ソフトや計算機を使う機会のある方には是非参加をお勧めします。