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第一分科会

量子ダイナミクスの基礎と化学反応への応用

講師: 牛山 浩 先生(東京大学工学部准教授

紹介文:
大学で習う化学反応論は、通常、遷移状態理論に代表される静的な理論に基づいて理解されています。反応座標に沿った反応物と遷移状態の構造やエネルギー等の量子化学計算で得られる情報から反応機構を議論できるため、理論計算でも様々な系に適応され大きな成果を得てきました。 

一方で、近年の実験技術の進歩はアト秒・フェムト秒のオーダーでの分子運動の直接観測を可能にしつつあります。考えてみると、化学反応は原子や分子が衝突した際の電子の組み換えによって起こる本質的に時間依存の問題ですので、直接時間領域で反応を捉えるのが自然だと考えられます。こうしたミクロの世界を記述するのは量子力学ですので、必然的に時間依存のシュレーディンガー方程式を扱う必要が出てきます。 

本分科会では、時間依存のシュレーディンガー方程式を基に波束の概念を用いて議論を進めていく予定です。経路積分法や半古典理論についても解説し、実際にプログラム(量子波束の計算や半古典計算等)を動かして、近似の精度等についても議論していきます。こうした方法に基づき、核波束や電子波束を用いた化学反応論へと議論を展開していこうと考えています。昨年の第一分科会での高柳先生の講義と重なる部分もありますが、化学系の授業では習うこともないと思いますので、この機会にダイナミクスの世界を一緒に楽しめたらと思っています。 


担当:   杉澤 宏樹 (金沢大学 水野・井田研究室 M1 )

担当連絡先:    sec1_at_ymsa.jp
※担当連絡先はお手数ですが「_at_」を@に変えて頂きますよう、よろしくお願い致します。

担当者コメント:
第一分科会では、東京大学の牛山浩准教授をお招きし、時間依存の量子力学の基礎と応用に関しての講義をしていただきます。 

近年、科学技術(計算機、レーザー 等)の急速な発達により、理論、実験の両方において時間依存の量子力学の重要性が高まってきました。しかし、量子力学はその描像の複雑さから理論的解釈が難しい場合が多々あります。そのため、本講義では基礎理論から応用まで、演習問題(プログラミング等)を挟みつつ進行していくことで、実践的に時間依存の量子力学を習得し、その知識を深めることを目指していきたいと考えています。 

理論、実験にかかわらず時間依存の量子力学に興味、関心がある方はぜひご参加ください。